リストのソナタ
2018年 11月 04日
夏からずっとバタバタしてましたが、先日の東京でのソロリサイタルを終え、ようやくホッと一息。
気づけば永遠に続くかと思われた猛暑もすっかり落ち着き、空高くカラリとした気持ちのいい季節に…。
今回、初挑戦となったリストのソナタ。
室内楽の演奏会と、リハーサル、自宅と大学のレッスン等、まとまった練習時間がとれない中で、30分を超える大曲を新しく仕上げていくのは、精神的にも体力的にもかなり参りました。
学生の頃から、ずっと憧れていたリストのソナタ。
まだ精神的に充分に表現できないと尻込みしてきましたが、そうこうしているうちに見えてきた人生の折り返し地点。
衰え始めるだろう筋肉と記憶力のことを考え、そろそろ挑戦してみてもいいんじゃないかと思い始めていたところ、ちょうど他でもないリストの誕生日の10月22日にソロリサイタルのオファーをいただき、迷わず楽譜を開きました。
前半に選んだシューマンの幻想曲もなかなか体力勝負な曲。
シューマンとリストが献呈しあった2曲、どうしてもこの機会に一緒に弾きたいと思い選びましたが、このプログラムを弾き通せるのか、かつてないほど不安で、プログラミングをした自分を恨みながらの練習の日々…。
でも、そんな中2曲を同時に練習してみると、リストのソナタ中に散りばめられた、たくさんのシューマンの欠片!
それを発見する度、おーーー!と感激し、同時代を生きた大作曲家の想いを感じながら練習できたのも、嬉しい発見でした。。
なかなか追い詰められた日々でしたが、その中でしっかりと音楽と向き合い、今の等身大の精神で持って弾けたこと、少し自信につながりました。
弾けば弾くほど奥深いリストのソナタ、今はまだ見えていないモノを探し求めながら、曲と共に成長していけたらと思ってます。
このリサイタルを企画して下さった宮島さん、いつもお世話になっているスタッフさん、そしてなにより忙しい中、会場まで足を運び、暖かく見守ってくれた聴衆に、心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。
by Chihirokubo
| 2018-11-04 23:42