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降っても晴れてものんびり日々進歩


by Chihirokubo
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22年

阪神大震災から22年が経ったそうです。
山口県の田舎の中学生だった私は、その日東京にいました。
まだインターネットもなく、今ほど情報が速くない時代で、その日のお昼御飯を買いに外出するまで、何が起こっているのか全く知らず、ただただピアノの練習をしていました。
買ってきた昼御飯に手をつける間もなくテレビつけ、日本で大変な事が起きた・・・と思いました。
そしてその時、どんなに大変な事が起きても、自分の人生(時間)は止められないし戻せないんだと、人生で初めて強く実感しました。
日本であんな大変な事が起きた翌日、それでも決められた時間に起き、朝ごはんを食べ、何事もなかったかのように出かけ、どこかフワフワした気持ちを持て余しながらも、半年間頑張ってきた成果を必死に披露しなければならなかった受験生だった私。
思ったほど上手く弾けなかったのは、もちろん前日の出来事とは無関係ですが、22年たった今でも、その当日の自分の気持ちを強く強く思い出します。

私は小さい頃から、ただ楽しくピアノを弾き、特にコンクール等を受けるわけでも、熱心にレッスンをうけるでもなく育ちました。
中3になった時に、不意に自分から「音大に行きたい。」と言ったらしく、超運良く芸大の先生とご縁があり、芸高を受験することになりました。
まぁ今考えれば、中学3年生になるまで1日1時間しか練習せず、受験することになったものの、時計を見ながら3時間たったら即行で練習終了するような子が、そう簡単に合格するはずもないんですが。笑

それでも、毎年この時期が来る度に思います。
あぁ、ピアノを本気で弾き始めてから22年かぁ…って。
不謹慎かもしれませんが、震災の記憶と共に、いつもピアノ人生1歳だった当時の自分を思い出すんです。

今年は生徒の一人が芸高を受験します。
奇しくもバッハの平均律の課題曲の選択肢が、なんと22年前と全く同じ。
これぞ伝統。
私と違って、寝る間も惜しんで練習してきたので、きっときっと良く弾けるはず。
22年前の挑戦に、今度は“先生”として関われること、ここまでピアノを弾き続けられてきたことを思うと、感謝と同時になんとなくムズ痒いよう誇らしいような気持ちがします。
それでいて、どこか安心もするんです。
今もちゃんと弾いてるよーーって、15歳の私にお手紙を書きたい気分。笑

生徒の目の前に伸びる輝かしい道を思うと共に、自分自身も22年後も今と変わらず音楽に携わっていられるように、これからも真摯に誠実に音楽に向き合おうと、最後のレッスンを終えて東京に旅立った生徒を見送りながら思いました。

とりあえず、超過密レッスンを終え、「東京に着きました~。」のメールを読んだと同時に、なんとなく風邪の気配が。
先生も仕事を終え、気が抜けかけてるのかしら。笑
いや、まだまだコンクールを直前に控えてる生徒たちもいるし、風邪はなんかひいてる場合じゃない。
早寝早起きを心掛けまーす。







by Chihirokubo | 2017-01-19 23:58